湿地の静けさのなかで、少女が出会った人たちは、物語の最後に静かに息をのむ。「ザリガニの鳴くところ」

本感想

海外訳のものが読みたくなって読む。

何年か前の本屋大賞の外国翻訳賞?みたいなの受賞した時からなんとなく気になっていた。

【2021年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位】らしいです。

すごい。

淡々と進む湿地の少女の日常。

1人でいることの孤独に、自然、湿地との触れ合いによる楽しさ。

少しの人との関わり。

いくら孤独でも1人で生きるわけではない。

けど、自然がどれだけ彼女の心の中心にあったのか。

少ない関わりだからこそ、それぞれの関わった人が貴重で、大きな存在だと思わされる。

最後の最後。

ほんとうに、ほんとうになんと言っていいかわからなかった。

ネタバレになってしまうのでこれはまた後ろで書きます。

裁判の様子がしっかりしているが、読みやすく、裁判員制度などの人の運命を変える仕事の重要性を感じた。

とにかくすごい。(語彙力)

「ザリガニの鳴くところ」4.8

作者はディーリア・オーエンズ、訳者は友廣純(トモヒロジュン)
英語版は、2018年11月8日に発売
日本語版は早川書房から2020年3月5日に発売

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ここから先ネタバレあり

最初から、湿地で人気者が亡くなったという話から始まる。

ものの、メインは湿地の少女の生活。

なんとなく、この犯人にされて大変なことになるんだろうな。

そっとしておいてほしいこの生活を、

人と関わりがないが故に

誤解されて、責任を押し付けられて。

その雰囲気を感じながらも。

ほとんどは湿地の少女の生活が描かれる。

ワニ靴でおしゃれして出ていってしまった母親の姿が忘れられない。

特徴的な場面、自分の中で大きな出来事って、やはり印象として、映像として残るのかもしれない。

父親から離れるためにどんどんいなくなる兄弟。結局はケイト一人。

その中でもずっと許せない父親ではなくて。

ちょっとした家事から、船を使いたいがために、

けど、船を使わせてくれるはずもなく。

釣りをしてみたいとお願いする。

そこから、少しの間の、父親との緩やかな時間。嫌な思い出だけ出ないのが救いだと思う。

結局父親一体いつの間にどこにいったんだろう。

人との関わり

文字を教えてくれた男の子。

なんやかんや父親がいなくなって、貝を集めて生きていこうとするケイトをそっと支えるシャンピン。

そしてなんか村の男。

関わりが少ない、

けど、いくら湿地の奥に住んでいても、

全く人に関わらないわけにはいかないと痛感させられる。

定期的に、動物の、自然界の厳しさが、つながりが、余計に、一人で生きるのは無理だよ、と教えているような気がした。

優しい関わりであっても、完全に一方が一方に何かを与えるという形では成り立たない。

貝を善意でもらってあげていたり、善意もあるけれど、結局彼女(カイア)のことを娘のように思っているシャンピンとかをみてたら特に思う。

で、とてもとても信用していた少年、テイトも、テイト自身の夢のために、離れざるを得なくなる。

戻ってくるね、と約束していても、長く離れていた、つい、どうしても外したくない用事ができてしまったといったちょっとしたことがさらに長い隔絶を起こすことになる。

仕方ないのはわかるけど。改めて顔を見せるときに知らない人と仲良くしていたところを見たら気まずいけども。

関わる人が少ないからこそ、一つが与える打撃の大きさ。人間不信にもなるよな。

けど、それだけ一人の人に影響を受けられるっていう、それだけ自分の中で大きな存在の人がいるっていう事実が羨ましくもある。

失った時の大きさが怖い。それが大きい気がする。それでつい距離をとってしまうのはあるあるなんじゃないかな。

法廷

描写が上手。

あんまり、法廷ものとかを見ないし

どうしても難しい言葉が多くなりがちで。こういった場面。

ただ、お互いがやりてなのか?

裁判員?の人にわかりやすく説明するためなのか?

要点とか言いたいことがわかりやすく書かれてて

すごく状況が、内容がわかりやすかった。

心の浮き沈みとかも

改めて結末を知ってから読み直したいかもしれない。

とにかく、最後に、カイアが亡くなってからケイトが

なんか床の色違うな、から、

詩にまで手を出していたことを知る。

それでもほー!すごい!素敵な思い出?っていうのか、

故人を感じられるものが増えてよかったね

って思った瞬間

貝殻のネックレスが見つかるシーン。

沈黙。

衝撃。

無言。

自分に罪がかかることがわかってながら貝殻のネックレスを回収した彼女の心境が

感じられそうで、

自分には感じとりきれなかった。実は気づいて欲しかった?いや違う気がする。

ネックレスだけでなく、

カイアの詩を燃やすケイト。

知りたくなかった、

いや、知ってよかった?

一つの感情では語りきれないこの描写が

本当になんとも言えなくて。

けど、干潟とともに生きる、

なんだか儚い美しいお話だなと思いました。

こめんと:翻訳家すごい

最近、「アルジャーノンに花束を」も読んだのもあり。

直訳では絶対にうまくいかないニュアンスとかを伝えようとする翻訳家さんってすごいなと思う。

原作でニュアンスが感じれるくらい外国語できるようになったら楽しいんだろうな!!!!

どんな感じなんだろうな…それこそ本当にネイティブじゃないと感じられないニュアンスがあるんだろうな、日本語含め。

ちなみに今回の記事のタイトルはAIさんと結構話し合って考えました。まあまあ良くない??

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// カウンターを初期化
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// ループで全ての記事をチェック
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    if (get_the_time('U', $post->ID) < $current_post_date) {
        $counter++;
    } elseif ($post->ID == $current_post_id) {
        break;
    }
}

// 結果を出力
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以上っ

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